第40回 内観力 ~からだの声を聞く~ No .1 『立ち方から再検証してみる』
2011年1月30日に第39回の『内観力』を書いてから早1年以上が過ぎた。
この1年の間で私の身体の使い方もかなり変化してきた。
一番変わったところは”骨”の使い方が上手くなってきたので
余計な筋肉を使わない効率的な動きが出来るようになった。
いろんなトレーニングメソッドも次から次へと生まれてきたのだが
私の身体が上手く使えるようになる度にどんどん新しい感覚が芽生えてくるので
その都度、いいトレーニングが生まれるがすぐに古くなってしまう。
芯動骨整体(骨ストレッチ)が誕生してからもうすぐ5年目を迎えるに辺り
今まで取り組んできたことや気付いたことを私の備忘録として
この研究レポートに書いていきたいと思う。
今後、トレーニングの本を出版できる機会があれば
ここに書いてある内容を元にお伝えしたいと思っている。
私の指導を受けて戴く方々全員に言っていることがある。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
”私は私が気付いたことをみなさんにお伝え致しますが
その善し悪しは、自分自身の身体に聞いてみて下さい
なぜならば本当の先生はみなさん自身の身体なんです”
『答は身体が知っている!』
頭(脳)はウソがつけますが身体はウソがつけません。
身体が出してくれている『違和感』や『心地良さ』を頼りにして感じ取ってください。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
この研究レポートを読んで戴いている方も
是非、自分自身の身体で体感してみて下さい。
きっと身体から何らかの答をもらえるはずです。
☆『立ち方から再検証してみる』☆
長年、陸上選手の指導をしていて
ほとんどの方に違和感を感じること多い。
それは、あまりにも緊張して立っているということ。
本人は、基本に忠実に”いい姿勢”で立っていると思っている。
基本姿勢=糸で吊られている感じで真っ直ぐに立つ
または、体幹部の筋肉を意識して立つ
確かに猫背や無理な前傾姿勢ではダメなことは誰でも分かります。
身体が一本の棒のような状態になり、いわゆる『軸』を形成したものを”いい姿勢”だといいます。
見た目はこの方がいいのかもしれませんが
身体側から観てみるとこの姿勢をするだけでかなり負担をかける事になります。
なぜならば正しく立とうとするために筋肉を緊張させているからです。
糸で吊られている感じで真っ直ぐに立った状態で前屈をしてみて下さい。
大抵の方が曲げにくいのと筋肉が無理に引っ張られて痛みを感じるはずです。
特に、腰や膝の周辺が突っ張って痛いと思います。
実は、首や肩、腕にも同じく影響が出てしまうのです。
この状態で歩いたり走ったりして良いことなどありません。
そればかりか見た目だけの”いい姿勢”にこだわりすぎると
逆に筋肉が硬直してしまい、まるで『軽石』のような状態になります。
この姿勢では最大の『力』の発生源である”身体の重さ”を殺してしまっているのです。
身体の重さである体重を上手く使うことで『力』を発生させることが出来るのに
筋肉に必要以上の緊張をさせることで逆に無駄な『力』を使うことになるのです。
”いい姿勢”を無理に作ろうと筋肉を過緊張させてしまうことで身体の重さが使えないばかりか
緊張させている筋肉を更に使わないと動けない状態になっていることにまるで気付いていない。
つまり、車に例えるならブレーキを踏みながらアクセルを踏んでいるのと同じこと。
動力源=筋肉
と思っている人にはこれでいいのかもしれないが、、、
筋肉というものは緩んでいる(休んでいる)から動けるもので
過度の緊張を与えてしまうと次の動作が出来るわけがない。
それを無理やり動かそうとするのだから筋肉にかなりの負担を
かけてしまうことになり怪我に繋がってしまう恐れがあります。
今の主流の立ち方は、
”まっすぐな身体の軸”を作ることがいいとなっています。
そして、頭から足まで一直線(筋肉を意識して無理やり)になることで
身体から力が抜けなくなるので地面からの反力を受けやすくなると指導されています。
冷静になってよく考えて欲しいのですが
身体を硬直させて地面に接地して、本当に地面反力が受けやすくなるのでしょうか?
固い筋肉の状態では地面からの素晴らしい反力とケンカしてしまい
まるでガラスにヒビが入るかのごとく筋肉を傷めることになります。
しかし、この理論でも走れて結果を出してしまう人が1000人に1人でもいれば
この理論は正しいとなるのが現実です。
ここで、私が尊敬するお一人である故 野口三千三先生の言葉を紹介します。
『力を抜けば抜くほど力が出る』
次の瞬間、新しく働くことの出来る筋肉は、今、休んでいる筋肉だけである。
今、休んでいる筋肉が多いほど、次の瞬間の可能性が豊かになる。
昔から日本人は、”骨身に任す”という言葉を使ってきました。
”骨を使って立つ”
イメージを持って立つことで筋肉を緩ませる(休ませる)ことが出来ます。
武術の世界では、”居着き”とは『死』を表します。
地面に対して長く居着いてしまうと次の動作が素早く出来ないので
その隙に相手にやられてしまうからです。
しかし、なかなか骨で立つ感覚は分かりづらいところがあります。
そこで、『誰でも速く走れる骨ストレッチ』で紹介しました”ダブルT”(P.122)の立ち方です。
両足の中指とくるぶしをTの形の線上に置くだけで
骨身に任せて自然と立つことが出来ます。
この時、左右の腕をそれぞれ後方に回してみるとスムーズに大きく回ります。
同じく、前屈をすると違和感なく自然に身体が曲がっていくのが分かります。
”ダブルT”の立ち方で一番みなさんに驚かれることは
この姿勢だと真横から肩口を押されても踏ん張ることなく耐えれることです。
これは自然に骨で立てているので筋肉が緩んでいる分
脱力している状態にあるので重さが発生するからです。
片腕1本でも2~3キロあると言われてますから
まともに脱力できれば、それだけで凄い力を生み出すことが可能になるのです。
後、胸を無理に開いた姿勢をとろうとすると
背中の筋肉が緊張してしまうので次の動作に移る時に無理がかかります。
ですから無理に胸を開いて背中の筋肉でアーチを作ろうとせず
自然に背骨のアーチに任せておけばいいのです。
私の考え方ですが、、、
頭上から糸で吊られた感じで筋肉を使った立ち方よりも
骨で地面に立っている感じで骨を使った立ち方の方が明らかに動きやすいと思います。
立っている時から筋肉をフル稼働させている状態で走るということは
身体に対してどれだけの負担をかけているのかを今一度考えて欲しいものです。
如何なる時でも瞬時に動ける立ち方が理想なのです。
自然体で立つことにより『軸』が勝手に出来ていることを目指してください。
決して無理に作った立ち方では『軸』など出来ていないことを知ってください。
そして、これまた現在のトレーニングの主流になってしまっている体幹部トレーニングも
立ち方と同様、ずっと筋肉を緊張させていることに変わりありません。
この事も今後の研究レポートで書いていきたいと思います。
感謝 スポーツケア整体研究所 松村 卓
この1年の間で私の身体の使い方もかなり変化してきた。
一番変わったところは”骨”の使い方が上手くなってきたので
余計な筋肉を使わない効率的な動きが出来るようになった。
いろんなトレーニングメソッドも次から次へと生まれてきたのだが
私の身体が上手く使えるようになる度にどんどん新しい感覚が芽生えてくるので
その都度、いいトレーニングが生まれるがすぐに古くなってしまう。
芯動骨整体(骨ストレッチ)が誕生してからもうすぐ5年目を迎えるに辺り
今まで取り組んできたことや気付いたことを私の備忘録として
この研究レポートに書いていきたいと思う。
今後、トレーニングの本を出版できる機会があれば
ここに書いてある内容を元にお伝えしたいと思っている。
私の指導を受けて戴く方々全員に言っていることがある。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
”私は私が気付いたことをみなさんにお伝え致しますが
その善し悪しは、自分自身の身体に聞いてみて下さい
なぜならば本当の先生はみなさん自身の身体なんです”
『答は身体が知っている!』
頭(脳)はウソがつけますが身体はウソがつけません。
身体が出してくれている『違和感』や『心地良さ』を頼りにして感じ取ってください。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
この研究レポートを読んで戴いている方も
是非、自分自身の身体で体感してみて下さい。
きっと身体から何らかの答をもらえるはずです。
☆『立ち方から再検証してみる』☆
長年、陸上選手の指導をしていて
ほとんどの方に違和感を感じること多い。
それは、あまりにも緊張して立っているということ。
本人は、基本に忠実に”いい姿勢”で立っていると思っている。
基本姿勢=糸で吊られている感じで真っ直ぐに立つ
または、体幹部の筋肉を意識して立つ
確かに猫背や無理な前傾姿勢ではダメなことは誰でも分かります。
身体が一本の棒のような状態になり、いわゆる『軸』を形成したものを”いい姿勢”だといいます。
見た目はこの方がいいのかもしれませんが
身体側から観てみるとこの姿勢をするだけでかなり負担をかける事になります。
なぜならば正しく立とうとするために筋肉を緊張させているからです。
糸で吊られている感じで真っ直ぐに立った状態で前屈をしてみて下さい。
大抵の方が曲げにくいのと筋肉が無理に引っ張られて痛みを感じるはずです。
特に、腰や膝の周辺が突っ張って痛いと思います。
実は、首や肩、腕にも同じく影響が出てしまうのです。
この状態で歩いたり走ったりして良いことなどありません。
そればかりか見た目だけの”いい姿勢”にこだわりすぎると
逆に筋肉が硬直してしまい、まるで『軽石』のような状態になります。
この姿勢では最大の『力』の発生源である”身体の重さ”を殺してしまっているのです。
身体の重さである体重を上手く使うことで『力』を発生させることが出来るのに
筋肉に必要以上の緊張をさせることで逆に無駄な『力』を使うことになるのです。
”いい姿勢”を無理に作ろうと筋肉を過緊張させてしまうことで身体の重さが使えないばかりか
緊張させている筋肉を更に使わないと動けない状態になっていることにまるで気付いていない。
つまり、車に例えるならブレーキを踏みながらアクセルを踏んでいるのと同じこと。
動力源=筋肉
と思っている人にはこれでいいのかもしれないが、、、
筋肉というものは緩んでいる(休んでいる)から動けるもので
過度の緊張を与えてしまうと次の動作が出来るわけがない。
それを無理やり動かそうとするのだから筋肉にかなりの負担を
かけてしまうことになり怪我に繋がってしまう恐れがあります。
今の主流の立ち方は、
”まっすぐな身体の軸”を作ることがいいとなっています。
そして、頭から足まで一直線(筋肉を意識して無理やり)になることで
身体から力が抜けなくなるので地面からの反力を受けやすくなると指導されています。
冷静になってよく考えて欲しいのですが
身体を硬直させて地面に接地して、本当に地面反力が受けやすくなるのでしょうか?
固い筋肉の状態では地面からの素晴らしい反力とケンカしてしまい
まるでガラスにヒビが入るかのごとく筋肉を傷めることになります。
しかし、この理論でも走れて結果を出してしまう人が1000人に1人でもいれば
この理論は正しいとなるのが現実です。
ここで、私が尊敬するお一人である故 野口三千三先生の言葉を紹介します。
『力を抜けば抜くほど力が出る』
次の瞬間、新しく働くことの出来る筋肉は、今、休んでいる筋肉だけである。
今、休んでいる筋肉が多いほど、次の瞬間の可能性が豊かになる。
昔から日本人は、”骨身に任す”という言葉を使ってきました。
”骨を使って立つ”
イメージを持って立つことで筋肉を緩ませる(休ませる)ことが出来ます。
武術の世界では、”居着き”とは『死』を表します。
地面に対して長く居着いてしまうと次の動作が素早く出来ないので
その隙に相手にやられてしまうからです。
しかし、なかなか骨で立つ感覚は分かりづらいところがあります。
そこで、『誰でも速く走れる骨ストレッチ』で紹介しました”ダブルT”(P.122)の立ち方です。
両足の中指とくるぶしをTの形の線上に置くだけで
骨身に任せて自然と立つことが出来ます。
この時、左右の腕をそれぞれ後方に回してみるとスムーズに大きく回ります。
同じく、前屈をすると違和感なく自然に身体が曲がっていくのが分かります。
”ダブルT”の立ち方で一番みなさんに驚かれることは
この姿勢だと真横から肩口を押されても踏ん張ることなく耐えれることです。
これは自然に骨で立てているので筋肉が緩んでいる分
脱力している状態にあるので重さが発生するからです。
片腕1本でも2~3キロあると言われてますから
まともに脱力できれば、それだけで凄い力を生み出すことが可能になるのです。
後、胸を無理に開いた姿勢をとろうとすると
背中の筋肉が緊張してしまうので次の動作に移る時に無理がかかります。
ですから無理に胸を開いて背中の筋肉でアーチを作ろうとせず
自然に背骨のアーチに任せておけばいいのです。
私の考え方ですが、、、
頭上から糸で吊られた感じで筋肉を使った立ち方よりも
骨で地面に立っている感じで骨を使った立ち方の方が明らかに動きやすいと思います。
立っている時から筋肉をフル稼働させている状態で走るということは
身体に対してどれだけの負担をかけているのかを今一度考えて欲しいものです。
如何なる時でも瞬時に動ける立ち方が理想なのです。
自然体で立つことにより『軸』が勝手に出来ていることを目指してください。
決して無理に作った立ち方では『軸』など出来ていないことを知ってください。
そして、これまた現在のトレーニングの主流になってしまっている体幹部トレーニングも
立ち方と同様、ずっと筋肉を緊張させていることに変わりありません。
この事も今後の研究レポートで書いていきたいと思います。
感謝 スポーツケア整体研究所 松村 卓