第41回 内観力 ~からだの声を聞く~ No .2 『歩き方を再検証してみる』
今回、『歩き方』について書いてみたいのだが
その前に、前回、お伝えした『立ち方』でひとつ書き加えたいことがある。
それは、”骨盤の前傾”である。
なぜなら骨盤を前傾した状態で歩くや走るといいという考え方があり
そのことについて少々違和感があるからだ。
私が骨盤の前傾を意識し始めたのは中京大学に入ってからだ。
当時、ワールドウイングの小山先生のところでトレーニングを勉強されていらしゃったY氏。
スクワットを行う前の注意点として
太腿の前側で行うスクワットではブレーキ部分を鍛えることになり逆効果になるので
太腿の後ろ側のエンジン部分にあたるハムストリングスや大臀筋を鍛えるために
骨盤を前傾させて行うように指導を受けた。
さらに効果を高めるために2.5キロのバーベルを両足前に置き
そのバーベルをつま先側で踏みながら行うことでより一層、ハムストリングスや大臀筋に刺激が入り
効果が上がると教えてもらった。
当時は、何の疑いもなくトレーニングに励んでいたが
この動作のツケが現在の私の身体にまだ残っているのだから恐ろしいことである。
まず、意識的に骨盤を前傾した状態で腕を回してみて欲しい。
背中や腰の筋肉が緊張しているためにスムーズに回らないと思う。
その後、骨盤を元に戻し(真っ直ぐ)腕を回していただくとスムーズに回ると思う。
今度は、意識的に骨盤を前傾した状態で前屈をしてみて欲しい。
膝周辺や腰、さらに背中の筋肉が緊張してしまい前屈することが難しいと思う。
その後、骨盤を元に戻し(真っ直ぐ)前屈していただくと楽に前屈ができると思う。
一番、感じて欲しいことは意識的に骨盤を前傾させて立ったときの
太腿の前側とふくらはぎ部分の緊張である。
上記の2箇所が緊張している状態は、車で例えるとサイドブレーキをかけている状態と同じなのだ。
この状態で歩いたり走ったりして身体に負担がこないのだろうか?
私は、スポーツケアトレーナーの立場から観て少々おかしいと思っている。
確かに、東洋人は骨盤が後傾していて膝が屈曲した体型(モンゴロイド体型)が多いと言われている。
しかし、骨盤を前傾させた状態で動作を行うとなるとかなりの柔軟性がないと緊張した状態で
身体を動かすことになりケガの心配が出てくる。
私が28歳の時、ワールドウイングで100mの日本記録保持者の伊東選手のトレーニングを観たが
常識では考えられない背中の筋肉の柔らかさに驚いた。
当時の私には、まだこのレベルの事が理解できなかったのだが、、、
日本人の骨格ではなく、西洋人の骨格の位置にするために
様々な機械やストレッチ方法によって、その事を可能にさせていることも事実なのだろう。
いろんな考え方があって良いと思う。
これから書くことは私の実体験のことなので参考にして戴ければ幸いである。
私が骨盤の前傾を嫌うようになったのは二つある。
ひとつは歩きづらい事。
もうひとつは長時間立っていられない事である。
ひとつ目の歩きづらいについてだが
意識的に骨盤を前傾させると足を接地させる時に必ず足の指が開いてしまう。
足の指が広がると自然とブレーキがかかってしまうので
スムーズに歩きたくても歩けないのである。
そればかりか足の裏に余計な力が入ることになり
足底筋が緊張した状態で接地することになるので地面反力をもらうことが出来ない。
逆に、地面に伝えようとする力と地面反力をもらう力が喧嘩することになり相殺されてしまう。
この動作で、足底筋を傷めるランナーが実に多い。
その結果、足の指や足底筋が弱いからだと言われ
タオルギャザーで足の指や足底筋を鍛えろと指導されてしまい
余計に足の指や足底筋を酷使することになり苦しんでいる。
骨盤を前傾させての歩き方は、
身体全体のコンビネーションを妨げてしまうばかりではなく
動きたいように動けない身体の悲鳴が痛みとして全身に現れてくるので
私の身体は、この事を違和感として教えてくれたのである。
また、尊敬している守 伸二郎先生から教わったお話を御紹介したい。
五本指ソックスを履かれている方にお伝えしたいのだが
五本指ソックスを履いて歩いた後、腕を回したり、前屈をしていただいたら
その回しやすさや曲げやすさを覚えておいて戴き、今度は五本指ソックスを脱いで裸足で歩いた後、
同じように腕を回してみたり、前屈をしていただいたら、その結果に驚かれることと思う。
その後、もう一度、五本指ソックスを履いて歩いてみて欲しい。
あなたの足や身体は何と仰っていらしゃるのだろうか?
五本指ソックスを履くことにより足の指を緊張させしまうのである。
だから、歩いていても足の指が働く(動く)ことが出来ない状態になっているので
人間本来の身体機能が上手く稼動しないため知らず知らずの間に身体に負担がかかってしまうのだ。
守先生のお知り合いの整体の先生のところでは
五本指ソックスを履いている人の方が断然、身体のバランスが崩れている人が多いとの事。
骨盤を意識的に前傾をさせて、五本指ソックスで歩かれたら
あなたの身体からどんな声が聞こえてくるのか今一度よく考えてみて欲しい。
ふたつ目の理由として長時間立つことが難しいのである。
今年から守先生に『韓氏意拳』の指導を受けている。
初めて稽古会に参加させて頂いた時に感じた違和感なのだが
どの動作をするときにでも骨盤の前傾がクセになっているので上手く動作が出来ないのだ。
骨盤を前傾させながらの動作では当たり前だがなめらかに動くことは無理である。
そればかりか、たった90分の稽古会の間、
立ちながら稽古をするだけで腰が張ってしまうのだ。
自分でも情けないくらいに腰が張ってしまい
その都度、骨盤を真っ直ぐにした状態に戻すように気をつけるようにしている。
『韓氏意拳』の動作を教わってからは、
とにかく身体が楽に動き、違和感が出ないように身体と常に体話(対話)しながら行っている。
能楽師の安田 登さんの本に素晴らしいことが書いてあります。
・骨盤の前傾は、私たちの身体で一番パワフルな筋肉である大腰筋が伸ばされ、
ほとんど使われなくなります。
・骨盤の前傾はポッコリおなかもつくります。
骨盤には、内臓を収める容器としての役割があります。
その骨盤が前傾していると、収まるはずの内蔵が前に落ち、
そのためにポッコリおなかになるのです。
・骨盤が水平ということは、骨盤周辺の筋肉バランスがとれており、
背骨も美しいカーブを描いているはずです。
反対に骨盤を前傾させると、身体の後ろ側(背中側)の筋肉が緊張状態になり、
腰痛や首の痛みが現れてくるでしょう。
≪日本人の身体能力を高める 『和の所作』 安田 登 著 マキノ出版≫
最近出ているランニング系の本にも骨盤の前傾をすすめているものが随分多いが
私は骨盤を前傾させるのではく、水平(真っ直ぐ)にして歩いたり走ったりする方が楽で気持ちが良い。
歩き方の本だけでも山ほどあるがだいたい同じことを云わんとしているのが多い。
その中で最も多いのが踵(かかと)から接地して拇指球でしっかり地面を押せと指導しているのが殆どだ。
だいたいの方が動作の結果ばかり見て、所謂、形にばかり捉われている人が多い。
自然に歩いた(動いた)結果、そういう動作をしていた。
そう考えて、身体全体の動きの連動性を観た方がよっぽどいい。
動作解析をするときに気をつけたいことは
部分的な動作解析をするのではなく全体の動作の流れを観て解析した方がよいと思う。
先程も書いたように骨盤を前傾させてしまうことで
足の指が上手く動くことが難しくなり本来の地面を捕まえる動作が出来ない。
その結果、自然に重心移動が出来ないために拇指球で地面を押さないと前方移動できないのである。
歩くという動作は見かけによらず複雑な動作である。
なぜなら倒れないようにコントロールすることの連続動作だからだ。
そのアンバランスな状態において拇指球で地面を押すことが可能なのは本来は無理な動作なはず。
それは、重心の位置が接地した足(支持足)よりも腰の位置が後ろ側にあるから拇指球で押さざるえないのだ。
これは、膝下を振り出して歩いているので
接地した足の上に腰が乗り込むまで時間差があるために
体重のおもさを生かした前方移動がスムーズに出来ないから起こってしまう。
もし、拇指球で押しながら歩いたり走ったりした方が
前方に進んでいると思っている人は単に上下動の走りをしているだけ。
地面をしっかり押している感覚の方が進んでいるように思ってしまうのは
脳は、この方が納得(理解)しやすからである。
身体側から観ていえることは
まず、ふくらはぎ部分の硬化が酷くなり、次に大腿四頭筋に負担がきてしまう。
その結果、腰が張りやすい状態になり腰痛になる方が殆どだ。
みなさんにひとつお聞きしたいことがある。
赤ちゃんがハイハイからつかまり立ちをして
いよいよ歩く段階になったときに足を振り出して踵(かかと)から接地しているだろうか?
赤ちゃんの時は、頭の重さを利用して身体全体で前に進もうとしている。
足はその時、こけないために反射的に出ているのであり振り出している訳ではないのだ。
今まで、踵(かかと)から接地している赤ちゃんを私は観たことがない。
また、足の指をこれまた上手に使いこなして
きちんと地面をキャッチして見事な重心移動をしている。
もちろん、成人にもなると同じ歩き方をする訳ではない。
きちんと腰から前方移動を始めて同じように歩けば良いだけだ。
体幹部からの移動が先で、末端部が後から動くのが自然な動作なのに
意図的に、足から振り出して歩くことは不自然な動作になる。
上手く出来ない方がいらしゃったら後歩きをしてみればいい。
まさか、後歩きをする時にまで足を後方に振り出して歩く人はいないだろう。
頭や身体の重さが後方に移動して、こけそうになるので自然に足が腰の下に接地してくれているはずだ。
後歩きをする時は自然ないい動作が出来る人でも
いざ、前方に歩き出すとまったく違う動作をしてしまう人が殆どである。
楽に立てる、そして楽に歩ける。
立っていても歩いていてもやればやるほど身体が柔らかくなる。
自然な動作をしていれば身体に変な負担をかけない分、ケガをする確立は減る。
”自然は無理と無駄がない”
心地よい自然体を求める動作を積み重ねていくことが
スポーツにおいても大切なことだと常々思っている次第である。
感謝 スポーツケア整体研究所 松村 卓
その前に、前回、お伝えした『立ち方』でひとつ書き加えたいことがある。
それは、”骨盤の前傾”である。
なぜなら骨盤を前傾した状態で歩くや走るといいという考え方があり
そのことについて少々違和感があるからだ。
私が骨盤の前傾を意識し始めたのは中京大学に入ってからだ。
当時、ワールドウイングの小山先生のところでトレーニングを勉強されていらしゃったY氏。
スクワットを行う前の注意点として
太腿の前側で行うスクワットではブレーキ部分を鍛えることになり逆効果になるので
太腿の後ろ側のエンジン部分にあたるハムストリングスや大臀筋を鍛えるために
骨盤を前傾させて行うように指導を受けた。
さらに効果を高めるために2.5キロのバーベルを両足前に置き
そのバーベルをつま先側で踏みながら行うことでより一層、ハムストリングスや大臀筋に刺激が入り
効果が上がると教えてもらった。
当時は、何の疑いもなくトレーニングに励んでいたが
この動作のツケが現在の私の身体にまだ残っているのだから恐ろしいことである。
まず、意識的に骨盤を前傾した状態で腕を回してみて欲しい。
背中や腰の筋肉が緊張しているためにスムーズに回らないと思う。
その後、骨盤を元に戻し(真っ直ぐ)腕を回していただくとスムーズに回ると思う。
今度は、意識的に骨盤を前傾した状態で前屈をしてみて欲しい。
膝周辺や腰、さらに背中の筋肉が緊張してしまい前屈することが難しいと思う。
その後、骨盤を元に戻し(真っ直ぐ)前屈していただくと楽に前屈ができると思う。
一番、感じて欲しいことは意識的に骨盤を前傾させて立ったときの
太腿の前側とふくらはぎ部分の緊張である。
上記の2箇所が緊張している状態は、車で例えるとサイドブレーキをかけている状態と同じなのだ。
この状態で歩いたり走ったりして身体に負担がこないのだろうか?
私は、スポーツケアトレーナーの立場から観て少々おかしいと思っている。
確かに、東洋人は骨盤が後傾していて膝が屈曲した体型(モンゴロイド体型)が多いと言われている。
しかし、骨盤を前傾させた状態で動作を行うとなるとかなりの柔軟性がないと緊張した状態で
身体を動かすことになりケガの心配が出てくる。
私が28歳の時、ワールドウイングで100mの日本記録保持者の伊東選手のトレーニングを観たが
常識では考えられない背中の筋肉の柔らかさに驚いた。
当時の私には、まだこのレベルの事が理解できなかったのだが、、、
日本人の骨格ではなく、西洋人の骨格の位置にするために
様々な機械やストレッチ方法によって、その事を可能にさせていることも事実なのだろう。
いろんな考え方があって良いと思う。
これから書くことは私の実体験のことなので参考にして戴ければ幸いである。
私が骨盤の前傾を嫌うようになったのは二つある。
ひとつは歩きづらい事。
もうひとつは長時間立っていられない事である。
ひとつ目の歩きづらいについてだが
意識的に骨盤を前傾させると足を接地させる時に必ず足の指が開いてしまう。
足の指が広がると自然とブレーキがかかってしまうので
スムーズに歩きたくても歩けないのである。
そればかりか足の裏に余計な力が入ることになり
足底筋が緊張した状態で接地することになるので地面反力をもらうことが出来ない。
逆に、地面に伝えようとする力と地面反力をもらう力が喧嘩することになり相殺されてしまう。
この動作で、足底筋を傷めるランナーが実に多い。
その結果、足の指や足底筋が弱いからだと言われ
タオルギャザーで足の指や足底筋を鍛えろと指導されてしまい
余計に足の指や足底筋を酷使することになり苦しんでいる。
骨盤を前傾させての歩き方は、
身体全体のコンビネーションを妨げてしまうばかりではなく
動きたいように動けない身体の悲鳴が痛みとして全身に現れてくるので
私の身体は、この事を違和感として教えてくれたのである。
また、尊敬している守 伸二郎先生から教わったお話を御紹介したい。
五本指ソックスを履かれている方にお伝えしたいのだが
五本指ソックスを履いて歩いた後、腕を回したり、前屈をしていただいたら
その回しやすさや曲げやすさを覚えておいて戴き、今度は五本指ソックスを脱いで裸足で歩いた後、
同じように腕を回してみたり、前屈をしていただいたら、その結果に驚かれることと思う。
その後、もう一度、五本指ソックスを履いて歩いてみて欲しい。
あなたの足や身体は何と仰っていらしゃるのだろうか?
五本指ソックスを履くことにより足の指を緊張させしまうのである。
だから、歩いていても足の指が働く(動く)ことが出来ない状態になっているので
人間本来の身体機能が上手く稼動しないため知らず知らずの間に身体に負担がかかってしまうのだ。
守先生のお知り合いの整体の先生のところでは
五本指ソックスを履いている人の方が断然、身体のバランスが崩れている人が多いとの事。
骨盤を意識的に前傾をさせて、五本指ソックスで歩かれたら
あなたの身体からどんな声が聞こえてくるのか今一度よく考えてみて欲しい。
ふたつ目の理由として長時間立つことが難しいのである。
今年から守先生に『韓氏意拳』の指導を受けている。
初めて稽古会に参加させて頂いた時に感じた違和感なのだが
どの動作をするときにでも骨盤の前傾がクセになっているので上手く動作が出来ないのだ。
骨盤を前傾させながらの動作では当たり前だがなめらかに動くことは無理である。
そればかりか、たった90分の稽古会の間、
立ちながら稽古をするだけで腰が張ってしまうのだ。
自分でも情けないくらいに腰が張ってしまい
その都度、骨盤を真っ直ぐにした状態に戻すように気をつけるようにしている。
『韓氏意拳』の動作を教わってからは、
とにかく身体が楽に動き、違和感が出ないように身体と常に体話(対話)しながら行っている。
能楽師の安田 登さんの本に素晴らしいことが書いてあります。
・骨盤の前傾は、私たちの身体で一番パワフルな筋肉である大腰筋が伸ばされ、
ほとんど使われなくなります。
・骨盤の前傾はポッコリおなかもつくります。
骨盤には、内臓を収める容器としての役割があります。
その骨盤が前傾していると、収まるはずの内蔵が前に落ち、
そのためにポッコリおなかになるのです。
・骨盤が水平ということは、骨盤周辺の筋肉バランスがとれており、
背骨も美しいカーブを描いているはずです。
反対に骨盤を前傾させると、身体の後ろ側(背中側)の筋肉が緊張状態になり、
腰痛や首の痛みが現れてくるでしょう。
≪日本人の身体能力を高める 『和の所作』 安田 登 著 マキノ出版≫
最近出ているランニング系の本にも骨盤の前傾をすすめているものが随分多いが
私は骨盤を前傾させるのではく、水平(真っ直ぐ)にして歩いたり走ったりする方が楽で気持ちが良い。
歩き方の本だけでも山ほどあるがだいたい同じことを云わんとしているのが多い。
その中で最も多いのが踵(かかと)から接地して拇指球でしっかり地面を押せと指導しているのが殆どだ。
だいたいの方が動作の結果ばかり見て、所謂、形にばかり捉われている人が多い。
自然に歩いた(動いた)結果、そういう動作をしていた。
そう考えて、身体全体の動きの連動性を観た方がよっぽどいい。
動作解析をするときに気をつけたいことは
部分的な動作解析をするのではなく全体の動作の流れを観て解析した方がよいと思う。
先程も書いたように骨盤を前傾させてしまうことで
足の指が上手く動くことが難しくなり本来の地面を捕まえる動作が出来ない。
その結果、自然に重心移動が出来ないために拇指球で地面を押さないと前方移動できないのである。
歩くという動作は見かけによらず複雑な動作である。
なぜなら倒れないようにコントロールすることの連続動作だからだ。
そのアンバランスな状態において拇指球で地面を押すことが可能なのは本来は無理な動作なはず。
それは、重心の位置が接地した足(支持足)よりも腰の位置が後ろ側にあるから拇指球で押さざるえないのだ。
これは、膝下を振り出して歩いているので
接地した足の上に腰が乗り込むまで時間差があるために
体重のおもさを生かした前方移動がスムーズに出来ないから起こってしまう。
もし、拇指球で押しながら歩いたり走ったりした方が
前方に進んでいると思っている人は単に上下動の走りをしているだけ。
地面をしっかり押している感覚の方が進んでいるように思ってしまうのは
脳は、この方が納得(理解)しやすからである。
身体側から観ていえることは
まず、ふくらはぎ部分の硬化が酷くなり、次に大腿四頭筋に負担がきてしまう。
その結果、腰が張りやすい状態になり腰痛になる方が殆どだ。
みなさんにひとつお聞きしたいことがある。
赤ちゃんがハイハイからつかまり立ちをして
いよいよ歩く段階になったときに足を振り出して踵(かかと)から接地しているだろうか?
赤ちゃんの時は、頭の重さを利用して身体全体で前に進もうとしている。
足はその時、こけないために反射的に出ているのであり振り出している訳ではないのだ。
今まで、踵(かかと)から接地している赤ちゃんを私は観たことがない。
また、足の指をこれまた上手に使いこなして
きちんと地面をキャッチして見事な重心移動をしている。
もちろん、成人にもなると同じ歩き方をする訳ではない。
きちんと腰から前方移動を始めて同じように歩けば良いだけだ。
体幹部からの移動が先で、末端部が後から動くのが自然な動作なのに
意図的に、足から振り出して歩くことは不自然な動作になる。
上手く出来ない方がいらしゃったら後歩きをしてみればいい。
まさか、後歩きをする時にまで足を後方に振り出して歩く人はいないだろう。
頭や身体の重さが後方に移動して、こけそうになるので自然に足が腰の下に接地してくれているはずだ。
後歩きをする時は自然ないい動作が出来る人でも
いざ、前方に歩き出すとまったく違う動作をしてしまう人が殆どである。
楽に立てる、そして楽に歩ける。
立っていても歩いていてもやればやるほど身体が柔らかくなる。
自然な動作をしていれば身体に変な負担をかけない分、ケガをする確立は減る。
”自然は無理と無駄がない”
心地よい自然体を求める動作を積み重ねていくことが
スポーツにおいても大切なことだと常々思っている次第である。
感謝 スポーツケア整体研究所 松村 卓