第43回 内観力 ~からだの声を聞く~ No .4 『体幹部の動かし方を再検証してみる』
”身体の「骨」が、私の事に気付いてくれて嬉しい!と、
喜んでいる声がきこえるような気がします。”
これは、6月20日に出した、DVD骨ストレッチ・ダイエット編を観てくれた
北京パラリンピック・シッティングバレーボール代表の坂本 朋子さんのコメントである。
体幹部(コア)を鍛えることが強い選手になるためには必要不可欠と
今、書店に行けば、いろんな名前の体幹部トレーニングの本が所狭しと並んでいる。
実は、坂本さんも北京パラリンピックを目指してトレーニングをしていたのだが
試合が近づくにつれて身体の動きが悪くなってきてしまった。
片足がないハンディを背負いながらのハードなトレーニング。
ハンディをかばうために、体幹部を鍛えるトレーニングを積み重ねていた。
しかし、やればやるほど思うように身体が動かなくなっていくことに次第に違和感を覚え始めていた。
そして、とうとう日常生活においても支障が出始めた。
おかしい、、、なぜ、、、
体幹部を鍛えれば鍛えるほど、自分の身体が動かなくなってしまう。
藁をもつかむ気持ちで、スポーツケア整体研究所に来てくれた坂本さんの身体を観て
まるで鉄の鎖で縛られているかのような状態であった。
”坂本さん、筋肉も大事だけど、骨はもっと大事なんだよ!”
キョトンとしたお顔をされた坂本さんでしたが
骨ストレッチを基本とした骨を動かすトレーニングをしていくうちに身体からの声をキャッチされた。
身体がかなりほぐれた後に、ペットボトルを使用した私独自の体幹部を鍛えるトレーニングを行うと
坂本さんの身体で出番を待ち望んでいた『骨』が喜んで動き始めた。
『こんなにカンタンで、しかも気持ちよくて、だけど身体が楽に速く動けるなんて信じられない!』
筋肉や関節周りの硬化が取れ始めて、骨が楽に動かせるようになった坂本さんに笑顔が戻った。
同じ体幹部を鍛えるトレーニングでも目指す方向が違うと出てくる結果も違うのは当然である。
★体幹部を鍛える=体幹部を固める。
☆体幹部を鍛える=体幹部を軟らかくする。
安定した体幹部こそがバランスがいいと思っているので固めてしまうのだろうが
そもそもバランスを取るきっかけはバランスを崩すからバランスを取ろうとする自然な身体の理を知らないのであろうか?
歩く動作も走る動作も重心が崩れて起こる動作である。
それを体幹部を固めてしまった状態で動作をしようとすること自体おかしくないだろうか?
安定を求めたいのであれば、いかにバランスを崩すかがポイントになるので
常に、アンバランスな状態にしておくことがバランスアップに繋がっていくのである。
体幹部を固めるだけ固めた結果、体幹部からの出力発生はまず無理である。
そのマイナスをカバーするために腕や脚がその犠牲となる。
身体の中で一番重い体幹部を腕や脚の力だけで動かそうとするのだから相当な負担がかかる。
筋肉を固めた状態であれば『骨』を使う意識など起こるはずもない。
筋肉にかかる負担ばかりが増え続け、やがて疲弊してしまいケガをする。
ケガをした結果ばかり見て、マッサージや電気治療・湿布などで対処するのだが
根本的な動作の改善を行わない限り、改善することは難しいだろう。
ケガをした原因を栄養不足によるものだと思い、
過剰な栄養分を摂ったところで根本的な解決にはならないのである。
鏡に映る逞しくなった自分の身体を見て喜ぶ気持ちは私も経験上よくわかる。
しかし、目に見えている筋肉を『陽』とするならば、目に見えていない骨を『陰』としてみて欲しい。
世の中は、すべて『陰陽』のバランスで成り立っている。
身体を動かすことも『陰』(骨)『陽』(筋肉)のバランスが大事なのである。
大自然の中で立派に立っている巨木を観て欲しい。
あの太い幹や枝葉を支えているのは目には見えない大地の中にある『根』がしっかりしているからだ。
『根』がしっかり大地に根付いていなければ、巨木はたちまち倒れてしまうのだ。
人間の身体も『骨』を使うことが楽に身体を動かせる極意なのに
現代人は、とかく筋肉だけしか頭にないようだ。
昔の日本人は、”骨身に任す” ”骨が折れる” ”骨身に沁みる”などの言葉を使ってきた。
先日、私の講習会にて参加者にお聞きしたことがある。
”骨休み”がしたい!という言葉を使ったことがありますか? の質問に
全員、言葉は知っているが使ったことはないとの返答であった。
ある方が一言、『気休め』ぐらいかなと笑っておられた。
昔の日本人は、生活環境も大きいが『骨』を上手く使う生活をしていた。
だから、”骨身に任す”や”骨が折れる”という言葉が自然に口から出るほど身体動作を『骨』で行っていた。
なぜならば、『骨』を意識して身体を動かした方が楽に長く仕事ができるからである。
井戸の水汲み、蒔き割り、風呂を沸かす、畑や田んぼを耕す、重い鎧を着て戦をする、、、
これらの作業を筋肉だけ行おうとしたら楽に長くは出来ないことはお分かりになることであろう。
だから、”骨折損のくたびれ儲け” ”肉を切らして骨を絶つ” という言葉が出てきたと思う。
現代人の身体感覚では筋肉ばかりで動いているので
休みの日となれば、『マッサージ』に行って筋疲労を取るくらいであろうか。
では、骨身に任して身体を動かすためにはどうすれば良いのか?
それは、体幹部を軟らかくして骨(肩甲骨・骨盤・鎖骨・肋骨)を動かしやすくしてやればいい。
筋肉を固めるのではなく軟らかくして骨が動く力を活用して筋出力を高めるトレーニングを身に付けるべきである。
それと同時に、腕や脚、そして体幹部の重さを活用することで物凄いパワーを生み出すことが出来るのだ。
”柔よく剛を制す”
この言葉の意味を知り、体感していくことを心から望んでいる。
しなやかな身体作りこそ、身体本来の動作が出来るのだ。
ガラスのような硬い筋肉を作ったところでヒビが入りやすくなり壊れる(ケガ)ことになる。
弾力のある柔らかい筋肉を作ることで動作も楽に出来て、ケガもしなくなっていく。
陰(骨)陽(筋肉)のバランスの取れた動作を目指して戴きたい!
そして、可能性ある自分の身体を信じてあげて欲しい、、、
喜んでいる声がきこえるような気がします。”
これは、6月20日に出した、DVD骨ストレッチ・ダイエット編を観てくれた
北京パラリンピック・シッティングバレーボール代表の坂本 朋子さんのコメントである。
体幹部(コア)を鍛えることが強い選手になるためには必要不可欠と
今、書店に行けば、いろんな名前の体幹部トレーニングの本が所狭しと並んでいる。
実は、坂本さんも北京パラリンピックを目指してトレーニングをしていたのだが
試合が近づくにつれて身体の動きが悪くなってきてしまった。
片足がないハンディを背負いながらのハードなトレーニング。
ハンディをかばうために、体幹部を鍛えるトレーニングを積み重ねていた。
しかし、やればやるほど思うように身体が動かなくなっていくことに次第に違和感を覚え始めていた。
そして、とうとう日常生活においても支障が出始めた。
おかしい、、、なぜ、、、
体幹部を鍛えれば鍛えるほど、自分の身体が動かなくなってしまう。
藁をもつかむ気持ちで、スポーツケア整体研究所に来てくれた坂本さんの身体を観て
まるで鉄の鎖で縛られているかのような状態であった。
”坂本さん、筋肉も大事だけど、骨はもっと大事なんだよ!”
キョトンとしたお顔をされた坂本さんでしたが
骨ストレッチを基本とした骨を動かすトレーニングをしていくうちに身体からの声をキャッチされた。
身体がかなりほぐれた後に、ペットボトルを使用した私独自の体幹部を鍛えるトレーニングを行うと
坂本さんの身体で出番を待ち望んでいた『骨』が喜んで動き始めた。
『こんなにカンタンで、しかも気持ちよくて、だけど身体が楽に速く動けるなんて信じられない!』
筋肉や関節周りの硬化が取れ始めて、骨が楽に動かせるようになった坂本さんに笑顔が戻った。
同じ体幹部を鍛えるトレーニングでも目指す方向が違うと出てくる結果も違うのは当然である。
★体幹部を鍛える=体幹部を固める。
☆体幹部を鍛える=体幹部を軟らかくする。
安定した体幹部こそがバランスがいいと思っているので固めてしまうのだろうが
そもそもバランスを取るきっかけはバランスを崩すからバランスを取ろうとする自然な身体の理を知らないのであろうか?
歩く動作も走る動作も重心が崩れて起こる動作である。
それを体幹部を固めてしまった状態で動作をしようとすること自体おかしくないだろうか?
安定を求めたいのであれば、いかにバランスを崩すかがポイントになるので
常に、アンバランスな状態にしておくことがバランスアップに繋がっていくのである。
体幹部を固めるだけ固めた結果、体幹部からの出力発生はまず無理である。
そのマイナスをカバーするために腕や脚がその犠牲となる。
身体の中で一番重い体幹部を腕や脚の力だけで動かそうとするのだから相当な負担がかかる。
筋肉を固めた状態であれば『骨』を使う意識など起こるはずもない。
筋肉にかかる負担ばかりが増え続け、やがて疲弊してしまいケガをする。
ケガをした結果ばかり見て、マッサージや電気治療・湿布などで対処するのだが
根本的な動作の改善を行わない限り、改善することは難しいだろう。
ケガをした原因を栄養不足によるものだと思い、
過剰な栄養分を摂ったところで根本的な解決にはならないのである。
鏡に映る逞しくなった自分の身体を見て喜ぶ気持ちは私も経験上よくわかる。
しかし、目に見えている筋肉を『陽』とするならば、目に見えていない骨を『陰』としてみて欲しい。
世の中は、すべて『陰陽』のバランスで成り立っている。
身体を動かすことも『陰』(骨)『陽』(筋肉)のバランスが大事なのである。
大自然の中で立派に立っている巨木を観て欲しい。
あの太い幹や枝葉を支えているのは目には見えない大地の中にある『根』がしっかりしているからだ。
『根』がしっかり大地に根付いていなければ、巨木はたちまち倒れてしまうのだ。
人間の身体も『骨』を使うことが楽に身体を動かせる極意なのに
現代人は、とかく筋肉だけしか頭にないようだ。
昔の日本人は、”骨身に任す” ”骨が折れる” ”骨身に沁みる”などの言葉を使ってきた。
先日、私の講習会にて参加者にお聞きしたことがある。
”骨休み”がしたい!という言葉を使ったことがありますか? の質問に
全員、言葉は知っているが使ったことはないとの返答であった。
ある方が一言、『気休め』ぐらいかなと笑っておられた。
昔の日本人は、生活環境も大きいが『骨』を上手く使う生活をしていた。
だから、”骨身に任す”や”骨が折れる”という言葉が自然に口から出るほど身体動作を『骨』で行っていた。
なぜならば、『骨』を意識して身体を動かした方が楽に長く仕事ができるからである。
井戸の水汲み、蒔き割り、風呂を沸かす、畑や田んぼを耕す、重い鎧を着て戦をする、、、
これらの作業を筋肉だけ行おうとしたら楽に長くは出来ないことはお分かりになることであろう。
だから、”骨折損のくたびれ儲け” ”肉を切らして骨を絶つ” という言葉が出てきたと思う。
現代人の身体感覚では筋肉ばかりで動いているので
休みの日となれば、『マッサージ』に行って筋疲労を取るくらいであろうか。
では、骨身に任して身体を動かすためにはどうすれば良いのか?
それは、体幹部を軟らかくして骨(肩甲骨・骨盤・鎖骨・肋骨)を動かしやすくしてやればいい。
筋肉を固めるのではなく軟らかくして骨が動く力を活用して筋出力を高めるトレーニングを身に付けるべきである。
それと同時に、腕や脚、そして体幹部の重さを活用することで物凄いパワーを生み出すことが出来るのだ。
”柔よく剛を制す”
この言葉の意味を知り、体感していくことを心から望んでいる。
しなやかな身体作りこそ、身体本来の動作が出来るのだ。
ガラスのような硬い筋肉を作ったところでヒビが入りやすくなり壊れる(ケガ)ことになる。
弾力のある柔らかい筋肉を作ることで動作も楽に出来て、ケガもしなくなっていく。
陰(骨)陽(筋肉)のバランスの取れた動作を目指して戴きたい!
そして、可能性ある自分の身体を信じてあげて欲しい、、、