第7回 内観力 『ウェイトトレーニング編 NO .5』
『間違いだらけのトレーニング No.3』
大阪室内陸上出場を楽しみにスタート練習をしていた私のところに
短距離のコーチが近寄ってきた。
『松村、悪いなぁ~大阪室内陸上の出場はダメだった。』
しばらく言葉が出なかった。
同期の笠原君に1度も負けない走りをし、現場で見ていたのにもかかわらず
私が無名の選手だからという理由で出場出来なかった。
この悔しい思いは後日、更に増すことになる。
大阪室内陸上をTVで観戦していた。
本当だったらあそこで走っていたかもしれない、、、、、
なんともいえない複雑な思いであった。
しかし、笠原君が決勝に進出したのである。
その笠原君に1度も負けた事のない私である。
絶対に決勝に出れた自信はあった。
悔しかった。本当に悔しかった。
この思いをすべて練習に打ち込んだ。
シーズンインまで後1ヶ月半、不足していると思うトレーニングを
悔いの残らないようにがむしゃらに行った。
その中でも以前、Y教授から習った大腿四頭筋を鍛えるレッグ・エクスティションに力を入れた。
バランスを崩さないためにも左右、片方の足ずつ行うようにした。
ジョイナーの強烈な走りを夢見ながら真剣に取り組んだ。
しかし、このトレーニングで私はこの後、ケガに泣くことになる。
今は理解していることなのだが
大腿四頭筋は主にブレーキの筋肉で使う場合が多い。
階段を下りる時や山道の下り坂などこけない様に大腿四頭筋に力をいれる。
大腿四頭筋の筋肉を鍛えると言うことは必然的にブレーキが強くなってしまうのである。
ジョイナーは決して大腿四頭筋を鍛えたからあれだけのストライド(正式には移動距離)を伸ばせたのではなく
その逆の大腿二頭筋や大臀筋の裏側の筋肉を鍛えた結果、物凄い前捌きで推進力を生み出したのである。
決して膝下を振り出しているのではなく自然に移動した腰位置の真下にきちんと戻しているだけなのだ。
しかもリラックスしているので接地アクセントが非常にうまいので見ている側はどんどん加速しているように写る。
身体の軸をきちんと作り上げ、見事な空中でリラックス状態
力を入れるON状態と力を抜くOFF状態の連続動作をスムーズに行い
男勝りのうらやましい筋肉を鍛え上げ、笑いながら走り見事に金メダルを取った。
写真分析のフォームを見て解説しているのをよく見ることがあるが
その選手の動作を外側から見て解説している人の言うことはあまり当てにはならない。
なぜなら、動いた結果をいくら評価しても動作自身は終わっているのである。
だから腕がよく振れているとかモモがよく上がっているとかしか表現が出来ない。
しかし、本当に見なければいけないところは身体の外側の動きを見ることではなく
身体の内側の動きを見なければいけないのだ。
腕がよく振れているとかモモがよく上がっているのは
身体の内側にある肩甲骨や骨盤、または丹田や上丹田、横隔膜を総動員し
筋肉も動いてひとつの動作になっていくのである。
Y教授の様にジョイナーの動作を見て前に振り出された足の動きは
ウエイト・トレーニングのレッグ・エクスティションの動きと同じだから
ジョイナーはきっと、レッグ・エクスティションをしたに違いないと思ったのだろう。
こんなレベルで動作解析をしているとは目を塞ぎたくなる。
身体の内側の動作を読み取る力を『内観力』と私と呼んでいる。
『内観力』がない指導者では大変な間違いをしている場合が非常に多いのである。
中京大学の陸上競技場にある桜の花が咲き始めた。
1989年4月、大学4年生になりシーズン最初の記録会の日になった。
中京大学で行われる『土曜記録会』の100Mに出場するために
私はウォーミングアップを始めた。
次回の内観力は『間違えて鍛えた身体の結果』です。
大阪室内陸上出場を楽しみにスタート練習をしていた私のところに
短距離のコーチが近寄ってきた。
『松村、悪いなぁ~大阪室内陸上の出場はダメだった。』
しばらく言葉が出なかった。
同期の笠原君に1度も負けない走りをし、現場で見ていたのにもかかわらず
私が無名の選手だからという理由で出場出来なかった。
この悔しい思いは後日、更に増すことになる。
大阪室内陸上をTVで観戦していた。
本当だったらあそこで走っていたかもしれない、、、、、
なんともいえない複雑な思いであった。
しかし、笠原君が決勝に進出したのである。
その笠原君に1度も負けた事のない私である。
絶対に決勝に出れた自信はあった。
悔しかった。本当に悔しかった。
この思いをすべて練習に打ち込んだ。
シーズンインまで後1ヶ月半、不足していると思うトレーニングを
悔いの残らないようにがむしゃらに行った。
その中でも以前、Y教授から習った大腿四頭筋を鍛えるレッグ・エクスティションに力を入れた。
バランスを崩さないためにも左右、片方の足ずつ行うようにした。
ジョイナーの強烈な走りを夢見ながら真剣に取り組んだ。
しかし、このトレーニングで私はこの後、ケガに泣くことになる。
今は理解していることなのだが
大腿四頭筋は主にブレーキの筋肉で使う場合が多い。
階段を下りる時や山道の下り坂などこけない様に大腿四頭筋に力をいれる。
大腿四頭筋の筋肉を鍛えると言うことは必然的にブレーキが強くなってしまうのである。
ジョイナーは決して大腿四頭筋を鍛えたからあれだけのストライド(正式には移動距離)を伸ばせたのではなく
その逆の大腿二頭筋や大臀筋の裏側の筋肉を鍛えた結果、物凄い前捌きで推進力を生み出したのである。
決して膝下を振り出しているのではなく自然に移動した腰位置の真下にきちんと戻しているだけなのだ。
しかもリラックスしているので接地アクセントが非常にうまいので見ている側はどんどん加速しているように写る。
身体の軸をきちんと作り上げ、見事な空中でリラックス状態
力を入れるON状態と力を抜くOFF状態の連続動作をスムーズに行い
男勝りのうらやましい筋肉を鍛え上げ、笑いながら走り見事に金メダルを取った。
写真分析のフォームを見て解説しているのをよく見ることがあるが
その選手の動作を外側から見て解説している人の言うことはあまり当てにはならない。
なぜなら、動いた結果をいくら評価しても動作自身は終わっているのである。
だから腕がよく振れているとかモモがよく上がっているとかしか表現が出来ない。
しかし、本当に見なければいけないところは身体の外側の動きを見ることではなく
身体の内側の動きを見なければいけないのだ。
腕がよく振れているとかモモがよく上がっているのは
身体の内側にある肩甲骨や骨盤、または丹田や上丹田、横隔膜を総動員し
筋肉も動いてひとつの動作になっていくのである。
Y教授の様にジョイナーの動作を見て前に振り出された足の動きは
ウエイト・トレーニングのレッグ・エクスティションの動きと同じだから
ジョイナーはきっと、レッグ・エクスティションをしたに違いないと思ったのだろう。
こんなレベルで動作解析をしているとは目を塞ぎたくなる。
身体の内側の動作を読み取る力を『内観力』と私と呼んでいる。
『内観力』がない指導者では大変な間違いをしている場合が非常に多いのである。
中京大学の陸上競技場にある桜の花が咲き始めた。
1989年4月、大学4年生になりシーズン最初の記録会の日になった。
中京大学で行われる『土曜記録会』の100Mに出場するために
私はウォーミングアップを始めた。
次回の内観力は『間違えて鍛えた身体の結果』です。