私達の細胞には、活動エネルギーを生み出すための二つのシステムが備わっています。そのひとつが食べ物の栄養素の一つである糖質からエネルギーを作り出す「解糖系」というシンプルなシステム。もうひとつが、この解糖系で分解された栄養素と酸素を結びつけてエネルギーを生み出す「ミトコンドリア」という高次なシステム。ここでは、次のように整理しておくといいでしょう。

解糖系…糖を分解してエネルギーを生み出す。
ミトコンドリア系…栄養素と酸素を結びつけてエネルギーを生み出す。

解糖系のエネルギーが電池２個分（２分子）であるのに対し、ミトコンドリア系のエネルギーは３６個分（３６分子）にも及ぶとされています。
１ミリにも満たない１個の細胞の中にミトコンドリアは平均３００ヶいるといいます。
全身の細胞は約６０兆個あるので６０兆×３００ヶ=１京８０００兆個ものミトコンドリアが私達のカラダに存在するわけです。このことを考えれば、ミトコンドリア系エネルギーが生命力を飛躍的に向上させることが見えてくるでしょう。

現代人の食生活を見てみると、精製した糖質食（おにぎり、菓子パン、カップ麺、スナック類）ばかりがあふれ、「カロリーは摂っているが栄養不足」という状況になっています。しかし、ミトコンドリアを活性するためにはビタミン、ミネラルを豊富に含んだ生命力が高い植物（野菜）の栄養素を取り入れるのが基本です。
あなたが、「何を食べるか？」で私達の生命活動が左右されるのです。

生活習慣病の原因のひとつは運動不足です。健康の為にカラダを動かそうと思うものの仕事が忙しくて「時間がない」『面倒くさい」また、しっかり休めず「ダルくてツライ！」となかなか実践することができません。しかし、ミトコンドリアを活性するためには、たくさんの酸素が必要不可欠なのです。
栄養摂取の問題に加え、もうひとつのエネルギー源である「呼吸」についても意識し、酸素補給にも努めていく必要があります。呼吸の面からエネルギー代謝を高め、体質改善を図ることも十分に可能だからです。

室内での日常生活や仕事をする時間が多くなり、太陽から離れてしまった現代人の生活習慣。しかし、ミトコンドリアを活性するためには「太陽の光エネルギー」が必要不可欠なのです。"ポカポカ陽気に包まれて""陽だまりの暖かさ"と言いますが、ミトコンドリアは寒さに弱く、 37度以上ないと活発に動くことが出来ません。
『冷えは万病の元』と言われますが、ミトコンドリアを活性しなければ細胞の活動力が低下し、酸化によって生み出される活性酸素の毒になってしまうのです。